皆さま、おはようございます!
前回の記事では、私が実際にパートナーにしてくれて嬉しかったこと10選お話しさせていただきました。
初めは誰もが100%「してほしいこと」をできるようになるのは難しいかもしれません。
しかし、理解しようとする姿勢だけはあなたの大切な方には見せてあげてほしいです。
それが大切な方を守る一つの方法でもあります。
なので、私と同じ病気をパートナーがお持ちの方に少しでも楽な気持ちになれて、あなたと同じようにパートナーへの接し方や対応の仕方に悩んでいることに対して当事者の私が手助けになれたらと私はとても嬉しいです。
これからは前回の記事とは反対に、パートナーが大切な方へしてはいけないことを10選深くお話ししていきますので、気持ちを楽にしてみていってください♪
感情をコントロールしろと言う
「気持ちの波くらい、自分でどうにかしてよ」と言われると、コントロールできない自分をさらに責めてしまいます。
それでなくても、この病気は、日々の生活の中で本人は自分のことが嫌で嫌で仕方がないくらい悩んでいるから。
その気持ちをあなたの一言で、自分の生きている価値や自分の存在自体が嫌になってしまうことで、自殺の可能性も多くあります。
双極性障害という病気は、『自殺率が高い』と言う病気とも言われています。パートナーの方を脅したい訳ではないんです。ただ頭の隅にでも置いててほしいのが、あなたの大切な方が毎日を迎えられていること自体が素敵なことであり、本人が病気と頑張って向き合っているという証なのです。
落ち込んでいる時に「頑張れ」と言う
人は、「頑張れ」と言われて全力で頑張ろうとする人も多くいるはず。
ですが、双極性障害という病気は、「頑張れ」と言われると、「これ以上何を頑張ればいいの?」と追い詰められてしまうことが最も多いのが特徴です。
あなたは大切な方へ良かれと思って、悪気なく問いかけた言葉かもしれませんが、当事者からするとものすごく重い言葉ということ!
「頑張れ」という言葉は一見、何気ない言葉でも使っているかもしれないけれど、責められているように感じて、最悪のケースも考えられるということもあります。
実際に、私も家族や夫に言われたことで苦しくなった経験もあります。その結果、自傷行為の回数が増えていき…夫婦ともに共倒れしかけたこともあるので、絶対に”頑張れ”という言葉は言わないでください。
当事者が落ちているときは、「頑張れ」ではなく「頑張らなくてもいいんだよ」とそっと優しく伝えることの方が心が救われます。
ハイ(躁状態)の時に楽しんでいるように見えるから放っておく
元気過ぎるときは、本人も気付いていないけれど、危険な場合も多いです。
何故なら、ハイ(躁)状態になっている時こそ、最悪のケースになったり、予期せぬ行動をとってしまうということ!
例えばなのですが、高額な買い物、借金、お酒依存やギャンブル、睡眠を削って深夜まで起きている、と言ったようなことが起こりかねません。
私は、高額な買い物や借金、ギャンブルと言ったことはなかったのですが、唯一「睡眠を削って深夜まで起きている」ことはほぼ毎日していましたね。
夫から、寝よう!と言われていたものの目が覚醒していて、ハイ状態なので幸せハッピーな気持ちが私の場合強くでていたので早く就寝することができませんでした。
もし、あなたの大切な方がハイ状態になっているときも、「少し休んでみようか」と優しく声をかけてほしいです。
声をかける時のポイント
声をかける時のポイント
・ワントーン声のトーンをあげて優しく問いかけること。
・心はかなり繊細なので、言葉の語尾や強い口調は控えて伝えること。
NGの問いかけ方
「少し休んだらいいよ」「休みなよ」=と太文字の部分を強い口調で言うこと。
声のかけ方のNG言葉5選
「なんでそんなに落ち着きがないの?」
「そんなにやる気があるなんて、元気でよかったね!」
「あなた、今おかしいよ」「普通じゃないよ」
「そんなにお金使って大丈夫なの?」
「どうせまたすぐ落ち込むんでしょ?」
声のかけ方のNG言葉5選について深掘りしてお話ししていきます
「なんでそんなに落ち着きがないの?」
「なんでそんなに落ち着きがないの?」のNG理由とは?
本人は、「落ち着きがない」とは思っていないので、否定されたと感じてしまって反発しやすくなる傾向にあります。
「落ち着きがない」のではなく、病気がそうさせていると言うことを忘れないでほしい><
最悪の場合に、自殺の率をあげてしまうこともあるので、攻め立てるような言動は絶対にしないことが大切になってきます。
「そんなにやる気があるなんて、元気でよかったね!」
「そんなにやる気があるなんて、元気でよかったね!」のNG理由とは?
本人は「やる気がある=良いこと」と思っているのですが、実は病的に症状が強くでているためにハイ(躁)状態になっている場合も。
本人の行動を軽く肯定することで、さらにエスカレートする可能性があるので注意が必要です。
「あなた、今おかしいよ」「普通じゃないよ」
「あなた、今おかしいよ」「普通じゃないよ」のNG理由とは?
直接的に「異常」「普通じゃないよ」と言うと、強い怒りや拒絶に繋がってしまいます。
その為、躁状態の本人は「私は今、正しい」と確信していることが多いのです。
しかし、「普通じゃないよ」と言う言葉を言われて良い気分になる人はいないはず!
あなたから見て、私たち当事者は普通に見えないのかも知れない。だけれど普通に見えないのではなく、「病気がそうしている」ことは忘れないでほしいです。
「そんなにお金使って大丈夫なの?」
「そんなにお金使って大丈夫なの?」のNG理由とは?
お金の使い過ぎに気付いていても、責め立てたり問い詰めることをしてしまうと、パートナーと言う存在自体を”敵視”する可能性があります。
感情的になると、さらに防衛的になりかなり危険です。
なんでそうしてしまったことを追求するよりは、「使いたくなっちゃうよね。」と共感したあげること。
そうすることで、してしまった自分を責め続けるリスクも減り、同じことを繰り返すこともなくなります。ただ、人によって個人差があるので、一概に減るとは断定できません><
「どうせまたすぐ落ち込むんでしょ?」
「どうせまたすぐ落ち込むんでしょ?」のNG理由とは?
未来を否定されると、本人は言われたことに対して強く反発し、「今の私は間違っていない」と余計に行動が過激になるリスクがあります。
起きてもいないことを先に言われると、言葉は言霊とも言うように、そうなりかねないために”どうせ”などというのは絶対に言わないでほしいです。
病気のことを軽く扱う
精神的なものなのだからと、「気の持ちようだよ」「考えすぎだよ」と言われると、自分のこと自体が理解されていないんだと深く傷ついてしまいます。
双極性障害は、気持ちではどうにもならない「脳の病気」であることをパートナーの方は最も分かってほしいです。
前回の記事でも、パートナーが私にしてほしいこと10選お話ししましたが、その一つとして”病気を理解すること”なのです。

誤った理解を知ることで当事者の私たちは良くなるどころが身体ともに蝕んでいってしまうからです。
その為、「たかが病気」や「たかが双極性障害」と思わないでほしいということ!
一方的にアドバイスばかりする
「こうすれば良くなるよ」「◯◯したほうがいいよ」といった本人に対してのアドバイス攻めにされると、本人はさらに苦しくなります。
当事者は「解決したい」というよりかは「気持ちを分かってほしい」と心では思っているということ!
自分のことを思ってアドバイスをしてくれていることは、嬉しいとは思いますが、それが過度になるのは話が変わってきますよね。私たちは、毎日”昨日よりも良くなりたい”気持ちには変わりないのだから…
パートナーであるあなたが良くなってほしくてしている気持ちはとても分かります!
ただ、あなたのその気持ちを当事者に100%以上向けてしまっては、”逆効果”になりかねません。
全力でアドバイスしたい気持ちは一旦抑えて。
それがあなたの大切な方の為にもなるのです!
本人が辛い時にパートナーが過剰に落ち込む
私が落ち込んでいるときに、パートナーが「私のせいかな…」と一緒に落ち込まれると、支えてほしいのに支えられなくななり、共倒れになりかねません。
この病気は、心はかなり繊細で傷つきやすくなってしまっているため、パートナーの落ちている姿を見て、さらに当事者は落ちてしまい最悪なケースが考えられます。
しかし、インフルエンザや風邪といったような一定期間過ぎると回復に向かいますが、双極性障害はそうはいかないのが現実です。
「全力で向き合おう…向き合おう、向き合わなきゃ」
と、すればするほどあなたも鬱病や他の病になりかねないので、大切な方に向き合う際は冷静に、どっしりと構えていてくれると安心するのです。
私も実際に、パートナーである夫が落ち込んでいき、
「泣いて、泣いて、僕には助けられない、もうしんどいよ。離れてもっと病気のこと理解してくれて、大きな器で受け止められる人のところにいった方がいいよ、その方が幸せになるよ。」
と、離婚話になったことも多々ありました。これが、私のリアルで実際にあったことです。
あなたも初めてのことばかりで戸惑いや混乱はたくさんあるはず…だけどそれ以上に当事者はもっともっと混乱しているということ。
もし、自分で対処ができないという時が来たら、まずはと大切な方としっかり話し合いをしてほしいです。
そして、解決が二人で難しい場合はその方が通っている担当医や心理カウンセリングを受診することをおすすめします
過干渉になること
実はこの「過干渉」は、当事者にとっては以下のことが起きます。
重荷になりやすい
自己肯定感を下げてしまう
パートナーシップのバランスを崩す
といった”逆効果”を生む可能性があります。
過干渉になりやすい行動例として、いくつかご紹介していきます
気分の小さな変化に毎回過剰に反応する
「今日、ちょっと元気ないけど大丈夫?」「今の発言、落ち込んでそうだったけど大丈夫?」と事細かくに詮索するということ。
問いかける際に、絶対に言わないでほしいことは、”大丈夫?”ということなんです。
大丈夫?とは、大丈夫かどうかわからない時に使う言葉であって、明らかに大丈夫でないことに対して使うのは当事者を責めてしまい、「私っておかしいのかな?」と追い詰めてしまう。
生活の全てを管理しようとする
「何時に寝る?」「ご飯食べた?」「薬は飲んだ?」「今日の調子はどう?」「どこか出かける?」「ちょっとしんどそうだから外に気晴らししにいく?」
と、毎回確認し過ぎることで当事者は苦しくなります。
その結果、肝心なときに本人が「しんどい…」と声を上げることを躊躇してしまいます。そうなると、命の危険性が高まり、良かれと思ってしたことが逆に取り返しのつかないことになりかねません!
なので、こういった言葉の他にも事細かく本人に聞くことは絶対にしないでほしいです。
大切と思う気持ちは分かりますが、大切と思うのなら距離感を大切にして、あなたの大切な方から言うのを待ってあげてください。そうすることで、あなたに自然と「薬飲んだよ。」と報告してくれるようになるはず。それまでは気長に待つことがあなたと大切な方との間に強い信頼関係が生まれてきます。
本人がまだ困っていないのに、先回りしてサポートする
「これはあなたには無理だから私(僕)がやるよ」と勝手に決めつけること。
サポートすることは、当事者には嬉しいことではありますが、お願いしていないことや起きてもないのにされては、本人を傷つけてしまうことにも繋がります。
サポートしたい気持ちを、当事者に押し付けてしまうのは違います。先回りしてサポートしようとする姿勢や考えは大切かも知れないですが、当事者にとって最も大切なのは、
”先回りしてサポートするのではなく、何よりも心のサポートをすること”
毎日、「大丈夫?」「何かあった?」と尋問のように心配し続ける
本人が元気でも常に「不安視」されると、負担に感じてしまいます。
もちろん、心配することが悪いことではないのですが、度が過ぎてしまうのは良くはありませんよね。
まず、当事者の私が伝えたいのは、気になって聞くのなら「大丈夫?」ではなく、「何かあったらいつでもいってね。」といつでも気にかけていると言う姿勢を言葉で優しく伝えてほしいです。
そうすることで、安心感が生まれ、あなたの大切な方が少しの時間でもいい時間を過ごすことができます。
適切な「寄り添い」と「過干渉」の違いをグラフにまとめてみました
項目 | 適切な寄り添い | 過干渉 |
---|---|---|
声かけの頻度 | 必要な時にさりげなく | 毎回細かく確認 |
行動の自由 | 本人の判断を尊重 | 決めつけて行動を制限 |
生活リズムのサポート | 一緒に提案して選ぶ | 一方的に指示する |
支える姿勢 | 「何かあったら教えてね」 | 「私が全部見てないとダメ」 |
気持ちの扱い方 | 話したい時だけ聞く | 毎回深掘りしようとする |
強引に外出やイベントに連れ出そうとする
元気になってほしくて誘ってくれるのはありがたいけれど、無理をすると余計に落ち込むことがあります。
まずは、本人を尊重して、「行きたくない」が言える安心感を一番大事にしてほしいです。
もし、外出に行きたいとあなたが思った時は、本人に「外に行けそう?」と聞くのではなくまずは本人の様子を見て行けそうか伺ってみてください。
そうすることで、過干渉になることもなく本人の心の負担もなくなります。
逆にもし、本人から「ここへ行ってみたい!」と提案があったときは、否定せずに全力で楽しむこと。強引に何かをすることはこの病気に悪影響を及ぼし、躁状態や鬱状態をさらにひどくしてしまうから要注意です!
機嫌を取り続けようとする
気を遣い過ぎて「自分のせいで気を遣わせている」と本人は逆に申し訳ない気持ちが強くなり、罪悪感を感じてしまいます。
そのせいで、当事者の本人はパートナーの本音が分からなくなることも考えられます。なので、ずっと合わせられていると信用しにくくなるということです。
私もそうだったのですが、パートナーにはただ静かに寄り添ってくれるだけでいい。機嫌を取ろうとしなくていい。と思っていてくれるだけでも嬉しいもの!
機嫌を取り続けようとすることで、「私の機嫌はパートナーが取らなきゃいけない」と逆効果で依存関係が生まれてしまう。
結果的に、パートナー自身が疲れ果ててしまうケースも。それが”共倒れ”にも直結していくので、機嫌を取ることは絶対にしないでほしいです。
過去の失敗を繰り返し責めること
はじめにお伝えしておきますが、「過去の失敗を繰り返し責めること」は当事者の方には絶対にしないでほしいです!
「前も同じことあったよね」「またか…」と、過去のエピソードを繰り返すことは絶対にNG。
それでなくても、当事者は自分でも繰り返ししてしまうことが怖いし、責められると自己否定感が強くなります。
この病気は、同じことを繰り返してしまったり、今までならできていたことができなくなることが多く、周りからはなかなか理解されない病気でもあります。
ただ、パートナーだけは理解してほしい。と願うものです。
過去してしまった自傷行為、高額な買い物や借金、ギャンブルといった衝動的行動は日常茶飯事に起こりうる可能性は極めて高い病気です。だからこそ、周りの理解も必要で、当事者の一番傍にいる人がしてしまったことを責めることは絶対にやめてほしい。
だって、してしまったことの後悔は本人が一番感じているし、後悔しているからなんです。
パートナーから見ると、「またか…」と感じてしまうことは仕方ありませんが、それを口に出すことは別!!
言いたくなった時は、自分日記をつけて自分の思いや気持ちをぶつけることをお勧めします。
まとめ|パートナーが心がけたいこと大切なこと
双極性障害を持つパートナーを支えるとき、一番大切なのは「治してあげよう」と頑張り過ぎないことです。私たちは解決よりも、そばにいてくれる安心感を求めています。
気をつけたいのは、優しさのつもりが逆に負担になること。
例えば、気分をコントロールさせようとしたり、無理に励ましたり、気を遣いすぎたり…。「こうした方がいいよ」とたくさんアドバイスをもらうことも、実はとても苦しく感じることもあります。
さらに、「機嫌を取り続けよう」とされると、私はあなたに迷惑をかけているのでは…と、自分を責めてしまうこともあります。
大丈夫。パートナーに完璧は求めていません。
分からないままでいいし、間違えてもいい。ただ、静かに寄り添って「話したい時に話せる」「しんどい時は傍にいる」そんな自然体のあなたでいてくれることが、何よりの支えです。
どうか「支えなきゃ」と思い詰めずに、一緒に歩く感覚を大切にしてください。
あなたがいてくれるだけで、本当に私たちは救われています。あなたもあなた自身を大切にしてくださいね
そして、最後まで読んでくださって本当にありがとうございます。
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