双極性障害と一緒に生きていると、気分の波に振り回されて、「どうしたら少しでもラクになれるんだろう」と悩むことはありませんか?
私も、無理をし過ぎたり、自分を責めたりして、何度もつらい思いをたくさんしてきました。
でもあるとき、「頑張ることを増やすよりも、やめることを見つけたほうがラクになれる」と言うことに気づいたんです。
この記事では、私が双極性障害でも少しずつ幸せに生きられるようになった「やめてよかった5つのこと」を、実体験とともにお話しします。
どれも今日から少し意識するだけでできることなので、良かったら気軽に読んでみてくださいね。
【やめたこと】気分が良い日に予定を詰め込むのをやめた
調子がいい日に、私は良く「友達とランチ→買い物→夜ご飯を食べに行く」など、予定を一日の中でびっしり入れていたんです。
予定を詰め込んで入れたことで、その結果次の日にぐったりしてしまって身体が全く動かなかったり、ドッと疲れがきて、ひどいときは寝込んでしまい、うつ状態になったことも。
もちろん、予定を入れることが悪いことではありません。
ただ、私の場合は楽しいと思うことが頂点に達すると、次に遅いかかるのは、うつ状態になるということ。
それでも、一日に楽しい用事はパンパンに入れてしまうことは日常茶飯事でした。自分は深く考えることはなく、ただ楽しければ全ていい。と安易に考えていたことが逆効果になったということ。
今はどうしてる?
前の私だったら、気分が高まった日に、「午前は美容院、午後は友達とカフェやランチ、夜は家族でお出かけ」とフルスケジュールを入れていました。
しかし今の自分は、予定は一日2つまでと決めています。
例え、友達に誘われたとしても「今日じゃなくて、別の日でもいい?」と、自分のペースを大事にするようにしています。
もし、余裕があれば、予定は入れていない日は少し近所を散歩するくらいで、あえて次の予定は入れない。
💬 パートナーとの会話例

今日、調子がいいから友達のところに行って、その後買い物してから夜は映画も行きたいんだ!



えっ、大丈夫?最近また波が来てたから私は心配だよ。



うん、でも今ならできる気がするの!



あなたの気持ちは分かるよ。でも、予定を詰めすぎると明日もしかしたらしんどくなるの、何回も見てるから…。ちょっとだけ残さない?
このパートナーが伝えている「ちょっとだけ余裕を残す」考えが、実際に私自身を救いました。
【やめたこと】SNSで他人と比べるのをやめた
SNSは、どうしてもキラキラした人が目に入りやすい場所でもあります。
「同い年なのに結婚した」「昇進した」「友達が海外旅行に行ってる」「おしゃれなお店でご飯を食べてる」
と、見れば見るほど自分が取り残されている気持ちによくなっていました。
その度に、自分が嫌になって、嫌いになって悔しくなって、苦しくなって、羨ましくなって妬んで。といさまざまな感情が爆発したことも。
「自分はもうダメな人間だなんだ、こんな病気になって何の役にも立たないんだ。」
と、自分を悲観するようになっていったことが数え切れなくらいたくさんあります。当時に比べると、少しはやめられたかもしれませんが、当時はかなりひどかったことを鮮明に覚えています。
夫によく「携帯は控えれそうだったら控えようね。」
と、言われていたけれど、どうしてもやめたれなかったのです。
はっきりとした理由はないけど、恐らく私はSNSを見ることで自分が生きていることを確認したかったのか。私も友達と一緒なんだ。と思い込みたかったのかもしれません。
そうなっては取り返しのつかないことにもなりかねないので、自分をコントロールできない時は、周りを頼ってください。
今はどうしてる?
SNSを開くことは悪いことではありません。
ただ、ずっと見てしまうことで自分を追い詰めてしまうことにもなりかねないからこそ、SNSを開く時間を1日15分までと私は決めてみています。
1日15分というのは、一日の中で15分ではなく、一回のぶっ通しに見る時間を15分ということです。
どうしても比べそうなときは、かわりに「癒し系の犬の動画」を見るようにしています。
他人のペースじゃなくて、”私の今”に集中するように心がけています。
💬 パートナーとの会話例



◯◯ちゃん結婚したんだって。私ってこのままでいいのかな…。



結婚って、誰でもタイミングは違うし、SNSは良いことだけ切り取ってるって思わない?



ううん、確かにそうかもしれないけど、どうしても友達とかと比べちゃうんよね…。



じゃあ、私から提案なんだけど、一回SNSを閉じて、犬の動画を一緒に見ない?
【やめたこと】「◯◯すべき」「ちゃんとしなきゃ」をやめた
「毎日働くべき」「友達との連絡の返信はすぐに返すべき」「友達や周りのお誘いには行くべき」と、自分をいつも縛ってしまっていることが多かった。
その◯◯すべき!ということに対して守れないと私はよく自己嫌悪になって、ひどいうつ状態に陥ってしまったのです。
自分は性格上、「やると決めたことはやり抜く」と変な正義感が強く、完璧主義なこともあったのでそれが裏面に出て自分自身を苦しめていた。
「◯◯すべき」「ちゃんとしなきゃ」は、性格的なものからなかなかやめることができない人もいるはず。
だけど、意識を少しだけ向けるだけで少しずつでもいいから、ゆる〜く物事を進められるようになると、あなたの気持ちもほんの少し心の余裕が生まれます。
今はどうしてる?
「できない日は休んでもいい」「連絡も元気なときに返せばいい」と、自分に優しいルールを作りました。
そうすることで、無理に何かをしようとする行動も減り、”ちゃんとする”ということよりも”生き延びる”を最優先にするようにしています。
やはり、自然にしてしまう衝動的行動のために、すぐすぐに「やめる!」ということは難しいかもしれません。
今の私であっても、日々の中で自分自身の課題でもあります。
💬 パートナーとの会話例



今日、掃除しなきゃ…。全然できてない。私って何もできなくて情けないな。本当に、ダメだ。



いや、そんなことことないよ。そもそも今日、布団から出られただけですごいじゃん。掃除なんて明日でも大丈夫だよ。
いつも家のことをしてくれてありがとうね。



でもみんな普通にできてるのに…私なんか何もできてない。



みんな、じゃなくて、今の”あなた”に合わせてもいいんだよ。
だから自分のことを責めたりはしないでね。
【やめたこと】無理にポジティブになろうとするのをやめた
「ネガティブ思考は良くない」「前向きに考えなきゃ」と言われることが多く、落ち込んだときはポジティブに無理に持ち上げようとよくしてしまっていました。
でも、できないと自分を責めてしまったり、追い詰めてしまったり、さらにうつ状態のように落ちていくことが多くなっていきました。
パートナーといるときは、無理せずいられることはあっても、外出するときは色んな人がいる中で、「元気な自分でいなきゃ」とか「ポジティブな自分にならなきゃ」と自分を偽っていることも。
その一瞬は、しんどくなくても家に帰った時にドッと疲れ果てていたので、無理は禁物です。
特にこの病気は、最も”無理する”ことが、最悪のケースになりかねないのです。睡眠やストレスを溜め込まない。休むことが大切です。
今はどうしてる?
落ち込んだ日は、「今日はこのままでいいんだ」「ネガティブでもいいんだ」とあえて開き直るようにしています。
気分が悪い日は、好きな布団にくるまってひたすらぐだぐだ過ごしたり、好きなことをしたりして”自分を守る時間”にしています。「そのままで大丈夫」と自分に言い聞かせてあげるだけで気持ちも休まるはず!
💬 パートナーとの会話例



私、なんでこんなにネガティブなんだろう…本当は治したいのに、なかなか治んない。苦しいよ。



あなたがしんどい気持ちは分かるよ。別にさ、ネガティブでもいいじゃん。無理に自分を変えようとしなくてもいいよ。



でも、友達からとか私の周りの人からは”ポジティブに考えよう”って言われるよ。



ネガティブな日もあなた。今日はそのままでもいい。って私は思ってるよ!
【やめたこと】一人で抱え込むのをやめた
私は、限界まで我慢した結果、ある日突然、夫と外出してる時に泣き崩れてしまったことがあります。
当時、夫婦関係に何かあった訳ではないのですが、突然ブルーな気持ちに陥っていったのです。
誰だって一人で抱え込むことで良いことは生まれませんよね。
この病気は、”一人で抱え込む”ことで、症状が悪化するどころか、躁鬱状態の波が交互に激しく襲ってきます。
私が実際に、その状態になりました。その当時の私の様子は、一言で言うと”悪魔”でした。
悪魔とは?と思う人も多いでしょう。
簡単にお伝えすると、怒りと悲しみが交差している状態で、泣きながら怒鳴ったり、物に当たったりとそれを繰り返ししてしまったこと。自分では自分のことをコントロールすることは難しく、夫も呆然と立ち尽くしてただただ傍にいるしかなかったのです。
私のようには絶対になってほしくないです。
どうか、決して一人で抱え込むのをやめてください。
今はどうしてる?
まずは、自分が信頼を置ける人を、一人でもいいので、見つけること。
そして、信頼できる人に「今日はしんどい」とだけでもいいので私は伝えるようにしています。
あなたの気持ちを完璧に伝えなくても、「今つらい」って言うだけでも十分なのです。誰かに話すことで、少しでもあなたの心が軽くなりはず。
実際に私は、もともと溜め込んでしまう性格だったのですが、たった一言でも吐き出すことによって、心のモヤモヤした気持ちが取れたような気がしました。弱音を吐くことが恥ずかしいことでもないし、逆に私は自分の思いを言葉にできるってかっこいいなって思っています。
💬 パートナーとの会話例



最近、何も言ってくれないけど気持ちとかは大丈夫?



うん、大丈夫だよ。(本当はしんどい)



そっか、そっか。
しんどいときは、無理に説明しなくても”つらい”って言ってくれるだけでいいんだよ。
いつでも私はあなたの味方だし、離れないから安心してね。
まとめ|〜あなたと、あなたの大切な人へ〜
双極性障害と生きる毎日は、正直、楽なものではありません。
波に振り回されるような日も、どうしようもなく落ち込む日も、きっと何度もあるかと思います。
でも、そんな中でも私は気づきました。
無理に「頑張ること」を増やさなくてもいい。
むしろ、「頑張るのをやめること」「手放すこと」を少しずつ増やしていくことが、私にとって本当の支えでした。
当事者のあなたへ
あなたは、できない日があってもいい。
予定をキャンセルしてもいい。
他の誰かと違っても、遅くても、大丈夫です。
「これをやめたらラクになるかも」と思えることがひとつでも見つかったら、どうかそれを遠慮せずに、そっと手放してあげてください。
あなたがあなたのまま、安心して生きていい。
そのことを、私は何度でもあなたに伝えたいです。
パートナーのあなたへ
傍にいるあなたは、きっと不安になることがあると思います。
どう支えていいのか、どう声をかけていいのか、分からず悩むこともたくさんあるはずです。
でも、一番大切なのは「無理に元気づけなくてもいい」と言うことです。
ただ、隣にいて、話せない日も、しんどいと言える日も、どんな日も一緒に過ごしてくれるあなたの存在が、かけがえのない支えです。
あなたも、自分を責めなくていい。
あなたも、あなたのペースで大丈夫です。
双極性障害と一緒に生きることは、当事者とパートナーが「完璧じゃない二人」でいられること。
お互いに、頑張りすぎず、少しでもラクに過ごせる日が、増えていきますように。
心から、願っています。



最後まで読んでくださってありがとうございます。
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